2019年12月から世界的に「新型コロナウイルス」(COVID-19)が世界的に流行しています。各国が外出自粛のため強硬手段を取る中で、非常事態に備えた法律のない日本では、多くの事業所が平常通り稼働している状態です。
「会社を休めない」「感染リスクがあるのになかなか対処してくれない」といった環境で、働く人はどう自衛すればいいのでしょうか。退職代行スタッフが解説します。
今の職場環境に疑問を抱いているときは、勤務先がとるべき対応をとっているかどうかを一度振り返ってみましょう。
新型コロナウイルス流行の背景に照らし合わせて考えると、従業員を雇い入れる会社には「安全配慮義務」(労働契約法5条・労働安全衛生法第20条~第22条)があります。
具体的には、マスクを配慮したり、お客様対応のある職場なら換気・消毒・身体的接触をなるべく控えるような通達をおこなったりすることです。もちろん、デスクワーク中心の部門で勤めているのなら「従業員同士の机を離す」といった社内環境作りも必要です。
もちろん、感染症の経済的影響も無視できません。ただ、会社の業績不振による雇用者への影響は最低限にとどめられるべきです。 少なくとも解雇は「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる場合」にしか認められておらず(労働契約法第16条)、この法律は派遣社員やパート・アルバイト社員にも広く準用されています。
実のところ、新型コロナウイルス流行で一番心配なのは「会社の経営難を理由に賃金が支払われないのではないか」という面ではないでしょうか。 この点に関しては、労働者保護の目的で次のように定められています。
売上が激減したため会社が休業に踏み切ること自体は正当性が認められますが、平均賃金のうち60%は最低限補償されなければなりません(労働基準法施行規則第38条)。
賃金保証大企業から零細な個人経営のお店まで、この点は同じです。
経営難により整理解雇することそのものは、新型コロナウイルスなら「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」(労働基準法20条1項但書)にあてはめて正当性が認められます。
ただし事業主は、少なくとも30日前に解雇予告を行うか、予告が遅れた日数分の賃金を支払わなければなりません(労働基準法20条1項・第2項)。 つまり、会社を辞めざるを得なくなった場合、たとえ感染症が理由でも30日分の給与は保障されるということです。
それでは、もしも感染してしまった場合はどんな対応を取ってもらえるのでしょうか。 療養期間中の給料は休業補償(先述)が義務付けられているほか、次の点も会社から補償されると法律で明らかにされています。
感染経路の調査で勤務先経由だったと分かった場合には、検査費用・治療費・ 労働基準第75条で「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない」と定められています。
国内の99%以上を占める中小企業では、ここまで解説した雇用者の義務がきちんと守られないケースが多々あります。
弊社「退職代行株式会社」には、以下のような事例について相談が多数寄せられています。
最も多いのが「賃金を補償したいが資金がない」と従業員を泣き落そうとするケースです。
現在事業者に対しては「新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大」(リンク)が行われており、資金の確保はそう難しいことではありません。
事業者があえてこの助成金を使わないのは、助成金に設けられた1日あたりの賃金上限額が原因です。上限額を越えた分の賃金の負担を嫌い、従業員を説得して補償なしで退職してもらおうとしているのです。
もしも助成金制度を知らないとしたら、それは事業者側の落ち度でしょう。従業員がその責任を負う必要はありません。
マスクを自費負担させるなど、感染症対策をやってくれない企業も見受けられます。 このような企業は従業員が声を挙げても変化しません。この流行が始まる前からその兆しはあったはずです。今後の会社との付き合い方を考えるべき段階にあるとしても良いでしょう。
いま深刻化しつつあるのは「コロナハラスメント」の問題です。 重無症状患者が感染源になるという報道を受けて、マスクが手に入らず着用できない従業員を差別する事例は、潜在的に多数あります。反対に「病気を恐れず今まで通り濃厚接触を含む業務を行うように」と強要する企業もあるでしょう。 このような会社と付き合い続けることは難しいと言わざるを得ません。
「休業補償されそうにない」「感染リスクのある職場でこれ以上働き続けたくない」といった状況は、退職代行株式会社にお任せください。依頼される方の心身の衛生を考慮して、電話代行に長けた弊社の熟練スタッフが即日退職を実現します。
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